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ハワイのアオウミガメは何故逃げない?
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ALOHA!アオウミガメはハワイ語で「ホヌ」と呼ばれ、古来より幸運のシンボルとして親しまれてきました。ハワイ島の伝説には、人間の少女に姿を変え、子供達と遊ぶ不思議なホヌの物語があります。このホヌはカウイラと呼ばれ、子供達の守り神として崇められ、今日でもホヌが海辺で遊ぶ人々にフレンドリーなのは、カウイラがいるからだと言い伝えられています。

一時期、乱獲によりその数を激減させたホヌも、1970年代に入ると絶滅危惧種保護法の施行で保護の対象となり、現在まで大切に守られてきました。こうした保護活動のおかげで、他の地域のアオウミガメに比べて、あまり人間を恐れないようになったという見方もできます。今日では、ハワイの海辺で頻繁にその姿を見かけるまでに生息数を回復してきたホヌですが、アメリカでは「絶滅の恐れがある種」に、日本ではオオワシなどと並ぶ絶滅危惧U類に分類されているとても稀少な生物なのです。

ホヌが逃げない理由には、ホヌの生活も関係しています。ハワイ島には、タートル・ピナクルというホヌが集まる有名なポイントがありますが、このポイントは、ホヌ専用の巨大なクリーニング・ステーションになっていて、多くのホヌが集まり、体に付いた海藻や寄生虫をキイロハギなどのニザダイ科の魚達に食べてもらっています。クリーニングは、ホヌにとって健康に関わる大切な行為ですから、よほどの危険を感じない限り、クリーニングが終了するまでは動きたくないと言うのがホヌの本音のようです。

同様に水中の岩陰で休息している時や浅瀬で岩などに付着した好物の海藻を食べている時、ビーチにあがって日光浴をしている時なども、ホヌの生活を妨げないように少し離れて観察すると、自然な表情の生き生きとしたホヌの姿を見ることができます。ウミガメの日光浴は、ハワイなどごく一部の地域でしか見ることのできない微笑ましい光景ですが、ホヌにとっては体温を上昇させ体の代謝を高めるための重要な行動と考えられています。カウイラの伝説のようにホヌの住む海辺で子供達が遊び、入り江ではイルカやクジラが休息する。ハワイ島は、そんな豊かな自然が今もなお残る島です。

写真・記事提供:コナ・コースト・クルーズ


クリーニング中のアオウミガメ



アオウミガメの日光浴

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