ダイビング後の高所移動

Altitude After Diving

飛行機搭乗や高地へのドライブなど、ダイビング後に高所へ行く場合は、減圧症(潜水病)を防ぐために時間を空けて、高所へ行くのを待つ必要があります。ダイビング前の高所移動は問題ございません。

午前中のツアーは13時、夜のツアーは21時までにはダイビングが終了します。ハワイ島は標高の高い場所が多いので、下記のガイドラインを参考にして、各自の責任において、無理のない日程でご旅行中のスケジュールを決めて下さい。

なお、ダイビングのご予約をお取りできるのは、下記ご了承のうえ、ガイドラインを遵守いただける方のみとなります。

飛行機搭乗など

ダイビング後に飛行機に乗る場合は最低23時間空けて下さい。PADIやDANでは最低18時間空けることを推奨していますが、実際にはダイブコンピューターが18時間以上の待機を指示することがあるので、より安全で現実的な待機時間として、弊社では最低23時間空けることを必須とさせて頂いています。

なお、ダイビング後に素潜りする場合も同様に最低23時間空けて下さい。また、上記は客室内気圧をおおよそ標高2400m相当もしくはそれ以下に調整できる一般的な旅客機を想定しています。ダイビング後に高度2400m以上を飛行する気圧調整のできないヘリコプターやセスナなどには乗らないで下さい。

マウナケアなど標高2400m以上の場所

マウナケアなど標高2400m以上の場所へ行く場合は、可能な限りダイビング前に行くようにして下さい。ダイビング後に行く場合は最低48時間空けて下さい。

スバル天文台があるマウナケア山は「星を見るツアー」で訪れることの多い場所ですが、山頂の標高は4205m、中腹のビジターセンターでも2800mあります。一般的な旅客機の客室内気圧は、おおよそ標高1800~2400m相当なので、飛行機以上に注意が必要な場所といえます。

サドルロードなど標高1500m以上の場所
サドルロードなど標高1500m以上の場所へ行く場合は最低23時間空けて下さい。サドルロード(Daniel K. Inouye Highway)はハワイ島の中央を横断し、コナとヒロを結ぶ最短ルートですが、マウナケアふもと付近で標高2021mと意外に高いので、ダイビング後の利用はなるべく避けるのが賢明です。
火山国立公園など標高600m以上の場所

火山国立公園など標高600m以上の場所へ行く場合は最低18時間空けて下さい。標高600m以上の場所としては、火山公園入口1213m、ワイメア(カムエラ)900mなどがあります。ワイメアはパーカーランチ牧場など、乗馬やカーボーイの町として有名なエリアです。

ワイピオ渓谷に行く場合もワイメアを通ります。ヒロに行く場合は、ワイメアを通る北周りと火山公園入口付近を通る南周り、それにサドルロードを通るルートがありますが、標高や距離などを考慮すると北周りがおすすめです。

コナコーヒーベルトなど標高300m以上の場所

標高300m以上の場所へ行く場合は最低8時間空けて下さい。コナコーヒーベルトは国道180号線と11号線沿いのコナコーヒー農園のあるエリアです。ケアラケクアやホナウナウに行く場合に通ります。コナコーヒーベルトから更に登った場所にある農園は標高600mを超える場合もあるのでご注意下さい。

この他にも、コナの町から空港、リゾートホテルの並ぶワイコロアまでの海沿いのエリア以外に行く場合は、たいてい標高300m以上の場所を通ることになります。海が下の方に見えるエリアはご注意下さい。

ダイブコンピューターをお持ちの方へ
ご自分のダイブコンピューターをお持ちの場合は、ご利用のダイブコンピューターのガイドラインに従い、このページのガイドラインと比べて安全な方を適用して下さい。
ご注意事項

減圧症のかかりやすさには個人差があり、減圧症を完全に予防できるガイドラインはございませんので、このページのガイドラインが安全を保証するものではありません。ダイビング後の高所移動は、あくまでもご自分の責任でおこなって下さい。

上記の待機時間は、弊社でご予約可能となる最小限の時間とお考え下さい。高所へ行くまでに長く時間を空けるほど、減圧症の危険性は少なくなります。ダイビング後に高所へ行くまでには、できるだけ長く時間を空けるようにして下さい。

また、上記の待機時間は減圧不要限界内での複数回のダイビングを想定しています。万が一、減圧不要限界を超えるダイビングをおこなった場合は、このページの全ての待機時間は最低48時間に変更となります。その後のご旅行中のダイビングや標高2400m以上の場所へのドライブは禁止です。

減圧症にかかりやすくなる要因

肥満、40才以上の中高齢者、減圧症経験者、喫煙者、日頃の運動不足、体調不良、病気(持病を含む)、けが(古傷を含む)、減圧不要限界に近いダイビング(たくさん潜る、長く潜る、深く潜るなど)、激しい運動、低体温、脱水症状、薬の服用(医師の許可が必要)、ダイビング前日の飲酒、ダイビング後の飲酒や熱いお風呂など。

該当する項目がある場合は、待機時間を長くとるように心掛けて下さい。基本的にダイビングの前後やダイビング中に血液の循環(窒素の吸収と排出)に影響する行為は、減圧症にも影響します。こまめに水分を取り、脱水症を防ぐなど、避けられる項目は、なるべく避けるようにするのが賢明です。

減圧症の最大の要因は、浮上速度にあるとも言われています。ダイブコンピューターの浮上速度警告音を鳴らすことなく、ゆっくりと浮上することが大切です。安全停止後、ボートに戻る時に油断して、浮上速度が速くなる人が多いですが、圧力の変化が大きい浅瀬ほど、ゆっくりと浮上する必要があります。浮力調整の苦手な方は、ロープを使うと浮上速度のコントロールが容易にできます。

ご宿泊先について

標高300m以上の場所にご宿泊の場合は、待機時間の確保が難しいため、ダイビングのご予約をお取りすることができません。主要なホテルはだいたい海沿いにあり、海抜面付近に位置していますが、B&Bなど個人経営の宿は、標高の高い場所にあることが多いのでご注意下さい。

おおよその標高は、下記の方法で調べることができます。ご自分で確認できない場合は、ご宿泊先名とご住所をお問い合わせフォームからご連絡いただければ、こちらで確認いたします。メジャーなホテルは、海抜面付近にあるので確認しなくても大丈夫です。

標高の調べ方

iPhoneを例に説明します。標高を調べる方法は他にもあると思うので、ご自分にあった方法を検索してみて下さい。まず、標準アプリの「コンパス」には、常に現在の高度(標高)が表示されています。離れた場所のおおよその標高を調べるには、無料アプリのGoogle Earthが便利です。

Google Earthを開いて、検索マークをタップ。試しにHilton Waikoloa Villageを検索してみます。画面の下部に表示される「場所情報」はXをタップして閉じると、下に隠れていた座標(19°55'25"N 155°53'13"W)2kmが見えるようになります。2kmの部分は地図をどれぐらい上空の距離(高度)から見ているかを表し、画面を拡大/縮小すると数値が変わります。

コンパスと違い、Google Earthでは高度は標高ではないのでご注意下さい。ヒルトンの場合はオーシャンフロントのホテルなので、標高2kmなわけがないので、すぐに気付けます。次に近くの任意の場所を長押しすると、画面下部に「指定した地点 19°55'22"N 155°53'16"W 4.78m」のように表示されます。この4.78m、つまり約5mがおおよその標高です。

マンタナイトシュノーケリング
マンタナイトに参加したいけれど、ダイビングでの参加が日程的に難しい場合は、シュノーケリングでの参加をお勧めします。マンタの枚数、行動は日によって異なりますが、水面で繰り返し回転することが多いので、シュノーケリングでもかなりの迫力で見られる可能性は大です。
他の場所でもダイビングされる方へ

弊社でのダイビングの前後48時間以内に他の場所でもダイビングをされる場合は、ご自分のダイブコンピューターをお持ちで、ご自身でしっかりと安全管理をすること、他の場所でのダイビングでも、このページのガイドラインに従うことが、弊社ダイビングツアーへの参加条件となります。

例えば、オアフ島でのダイビング後17時間で飛行機に乗り、ハワイ島到着後に弊社でダイビングというのは容認できません。ダイブコンピューターのバッテリー切れにもご注意下さい。